紙おむつ大量買付・転売 無許可資格外活動で摘発の事例

コンプライアンス, 無許可資格外活動 時事
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201410/2014101500911

 先日から問合わせが相次いでいるので、整理しておきたい。

 入管法別表第 1上欄に定められた在留資格をもって在留している外国人は、その在留資格に応じて、同表下欄に掲げる活動に属さない「収入を伴う事業を運営する活動」や「報酬を受ける活動」を行うことはできない。
 もっとも、当該外国人が、その在留資格に応じた同表下欄に掲げる活動の遂行を阻害しない範囲内で当該活動に属さない「収入を伴う事業を運営する活動」や「報酬を受ける活動」を行うことを希望するときは、法務大臣から「資格外活動許可」を受けることによって、在留資格を変更することなくこれを行うことができる場合がある。

 報道されている事件は、「技能」の在留資格をもって在留する外国人が紙おむつを買付けては海外へ送って転売していたというものである。この「買付・転売」行為は実質的に「収入を伴う事業を運営する活動」(以下、「本件収益活動」という)に該当するとみられ、「調理師」としての在留活動でないことは明らかである。「資格外活動許可」を得ることなく本件収益活動を行っていたというのであれば、無許可資格外活動に該当する・・・ということになろう。
 ところで、このケースで、当該外国人が、事前に「資格外活動許可」を求める申請をしていたとしたらどうであろうか。本件収益活動が「技能」の在留活動の遂行を阻害しない範囲内で実施されるものであるとは到底考えることはできないので、法務大臣が「資格外活動許可」を与えることはまずないだろうと思われる。また、仮に「資格外活動許可」が与えられたとしても、本件収益活動が「資格外活動許可」の条件内におさまるはずもなく、結局、付与された条件から超過した部分は無許可資格外活動となってしまう。
 本件の場合では、どうしても紙おむつの買付・転売を続けたいというのであれば、「技能」の在留資格をもって行っていた活動を中止して、事業活動をすることが可能となる在留資格への「在留資格変更許可」を得ることができるような手続をとっておくべきであったということができよう。カネに目がくらんでよく考えもせずに深刻なルール違反を犯してしまうことがないように、本事件を教訓としてほしい。

入管法 抜粋
(活動の範囲)
第十九条 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者は、次項の許可を受けて行う場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる活動を行つてはならない。
一 別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 当該在留資格に応じこれらの表の下欄に掲げる活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを除く。以下同じ。)を受ける活動
二 別表第一の三の表及び四の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
2 法務大臣は、別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者から、法務省令で定める手続により、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動の遂行を阻害しない範囲内で当該活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことを希望する旨の申請があつた場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。この場合において、法務大臣は、当該許可に必要な条件を付することができる。
(後略)

(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
(中略)
四 本邦に在留する外国人(仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可又は遭難による上陸の許可を受けた者を除く。)で次のイからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するもの
イ 第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者(人身取引等により他人の支配下に置かれている者を除く。)
(後略)

第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
(中略)
四 第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者
(後略)

第七十三条 第七十条第一項第四号に該当する場合を除き、第十九条第一項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。


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